令和5年度 北九州MICE倶楽部・下関観光コンベンション協会首都圏交流会のお手伝いをさせていただきました。~関門都市圏の工場見学~

国際会議・学術集会

「令和5年度 北九州MICE倶楽部・下関観光コンベンション協会首都圏交流会」のお手伝いをしました。

昨年に引き続き、公益財団法人北九州観光コンベンション協会様と一般社団法人下関観光コンベンション協会様が共同で開催しているイベント「北九州MICE倶楽部・下関観光コンベンション協会首都圏交流会」を今年もお手伝いさせていただきました。このイベントは、首都圏の学術集会・国際会議の主催者または主催予定の方を招待し、北九州・下関両市のコンベンション施設・観光資源・特産品などを紹介し、魅力を伝える誘致活動の1つで、食事をしながら楽しく、両市の紹介、地酒の振る舞い、特産品の抽選会などを行い、両市の魅力を伝えると同時に招待客とコンベンション協会の交流を深めることを目的としています。詳しくは昨年度の記事をご確認ください。

当社では、昨年(2023年)は国際会議など、北九州市で開催するイベントのお手伝いが3回もあり、エクスカーション・テクニカルツアーとして下関市にも訪問しております。そして、今年(2024年)も北九州市での国際会議のお手伝いを控えております。ここでお伝えするまでもないのですが、両市とも食べ物がおいしく、観光資源も豊富でとても魅力的な都市です。そこで、今回は私がエクスカーションやテクニカルツアーで訪問させていただいた両市の施設などを一部ご紹介します。

関門都市圏のエクスカーション

関門海峡の南北に広がる関門都市圏は、主に福岡県北九州市と山口県下関市を指し、下関市では、古くは平安時代に壇ノ浦の戦いがあり、明治維新で活躍した維新志士を多く輩出した長州藩があるなど、全国的に知られる歴史の舞台となっております。また近代においては、門司港を有する北九州市は国際港湾都市として栄え、八幡製鐵所が建造されるなど、明治以降、工業都市として発展してきました。

私は昨年(2023年)に国際会議などのイベントで3回、北九州市を訪問したと記載しましたが、3回ともテクニカルツアーを実施しており、様々な工場見学や観光をさせていただきました。特に北九州市はTOTO、日本製鉄、安川電機など、大企業の工場見学が有名ですが、今回は一般の観光では訪問が難しく、穴場スポット的な工場見学をいくつかご紹介します。

北九州市-工業都市ならでは大規模プラント

北九州市エコタウンセンター

北九州市エコタウンセンターは、若松区の北側、響灘地区にあり、「リサイクル」や「循環型社会」などが学べる「北九州エコタウン」と、様々な「エネルギー」について学べる「次世代エネルギーパーク」の施設見学を行っています。見学の流れとしては、エコタウンセンター(事務局)でビデオ説明やパネル展示で学び、それぞれの施設に車で移動し実際に工場やプラントを見学します。

「北九州エコタウン」では、様々なゴミや産業廃棄物をリサイクルしている工場を見学でき、「次世代エネルギーパーク」では、風力発電や太陽光発電など、様々な発電所を見学できます。私が見学させていただいた際は、ペットボトルと蛍光管のリサイクル工場、風力発電と太陽光発電の施設を見学させていただきました。どの施設は大規模で迫力があり、特に風力発電の風車は遠目に見たことはありましたが、真下から見上げるとその大きさに圧倒されました。

小学生から研究者や技術者、海外から視察など、様々な方々が見学に訪れており、目的に応じた説明をしていただけるようです。また、資料代(100円/部)のみで見学ができるのも魅力です。

北九州市日明浄化センター・ウォータープラザ北九州

続いて、北九州市日明浄化センター(日明:ヒアガリ)は、小倉北区の工場地帯にある下水処理施設です。下水処理施設といっても臭いがきつかったり、汚水を見るようなことはありません。下水の処理方法をビデオやパネル展示、プロジェクションマッピングなどで説明いただき、実際に施設も見学できます。お土産に北九州市のお水もいただけます。

併せて、見学したいのが北九州市日明浄化センターのすぐ隣にあるウォータープラザ北九州です。こちらは独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「省水型・環境調和型水循環プロジェクト」の一環として建設された施設で、下水処理の先端的な研究・開発が学べます。当社の場合、学会のテクニカルツアーで訪問するため、説明いただく職員の方も研究者、訪問する方も研究者のため、質疑応答が盛り上がります。より専門的になるので、少し難しいかもしれません。こちらの施設では、飲み水は人間の生命を維持するために必要なものであるため、その技術を敢えて特許出願をせずに誰でもこの技術が使用できるようにしており、カンボジアで導入され、水害で飲み水がなくなった際に活躍したようです。そして、この技術で汚水をキレイにした場合、水道水よりキレイになるようです。しかし、日本の法律で下水を上水として再利用することはできないので、現状では循環することはないようです。

このように興味深いお話が伺え、北九州市日明浄化センターもウォータープラザ北九州も無料で見学ができます。

朝日プリンテック

朝日プリンテック九州支社北九州工場は、小倉南区にある新聞の印刷工場です。こちらも説明をしていただいた後に工場の見学を行います。工場では輪転機という巨大な印刷機や、トイレットペーパーを巨大にしたような紙の束などを間近で見学できます。通常は深夜に印刷を行うため、機械が稼働している様子は見学できないのですが、私が訪問した際は偶然にも試運転を行う日で、轟音で機械が動く様子を見学できラッキーでした。

深夜に印刷作業を行うため、職員の方は健康や体力を大事にしており、施設内に筋トレのマシンなどがあるスポーツジムがあり、ユーモアを交えて各所を説明いただきました。無料で見学でき、最後にお土産で集合写真を印刷した新聞をいただけます。

下関市-伝統を受け継ぐ蔵

下関酒造

ここからは下関市の紹介です。下関酒造はJR西日本の幡生駅から徒歩で15分ほどのところにある大正12年設立の老舗の酒蔵です。こちらでは、「世界に1本だけのSAKE造り」という日本酒のブレンディング体験ができます。下関酒造のいくつかの日本酒を、銘柄を伏せた状態で試飲を行い、自分が気に入ったものをブレンドして、自分だけの日本酒を造ります。最後に試飲した日本酒の銘柄が明かされ、試飲クイズのような楽しみ方ができ、ブレンドした自分だけの日本酒は、青いキレイな瓶に封入され、自分の名前が印字されたラベルを貼り付けていただけます。しかも、この日本酒はブレンド割合を記載した紙をいただけ、オンラインで再発注が可能です。もちろん、日本酒造りの行程を説明いただき、蔵の見学も併せて楽しむことが出来ます。

ブレンディング体験は開催日がありますので、ホームページで確認して予約する必要があります。一人5,000円の費用がかかります。見学後は下関酒造のショッピングも楽しめます。

赤間醸造

赤間醸造もJR西日本の幡生駅から近く、徒歩で10分ほどのところにあり、明治元年創業の老舗の醬油・味噌蔵元です。蔵を見学しながら、4代目の社長自ら醤油の製造工程を説明いただけます。大規模な工場と異なり、年季の入った設備を長年大事に使用しており、昔ながらの製法を残しているようです。とても魅力的な社長で「醬油作りには愛情が最も大事」とおっしゃってました。私が訪問した際は、インドネシアの大学講師が日本の技術見学をしに行くと事前に伝えており、通訳を伴っていたのですが、社長が英語で「LoveがImportantよー!」と説明いただきました。

何種類か醤油とだしつゆを購入させていただきましたが、どれもとても美味しいです。こちらで購入した「ごま香る旨味醤油」という調味料で味付けした野菜をおつまみにして、下関酒造でブレンドした日本酒を飲むのが、帰宅後しばらくの日課になりました。最後にお土産をいただき、ショッピングも楽しめます。資料代として、540円の費用がかかります。

まとめ

北九州市と下関市には、オススメできるエクスカーション・テクニカルツアーのスポットが豊富にありますが、今回は敢えて、メジャーな工場見学は避けて、穴場スポット的な施設を紹介させていただきました。もちろん北九州市には有名企業の工場がたくさんあり、それらの工場見学もとても楽しめます。また、下関市も歴史的な観光資源がとても豊富ですが、国際会議・学術集会で外国人参加者を「壇ノ浦の戦い」の古戦場にお連れしてもピンとこないと思いますので、酒蔵や醬油・味噌蔵元が喜ばれると思います。

冒頭でも記載した通り、今年(2024年)も北九州市で国際会議を控えておりますので、また関門都市圏の魅力を発見したいと思います。今回の記事が関門都市圏で国際会議・学術集会を検討している主催者の方の参考になると幸いです。

セミナー・交流会などのイベント手配、北九州市・下関市の国際会議・学術集会の手配をご依頼の場合は、下記からご連絡ください。