DOI登録ってどうやってやるの? DOI登録の流れ

論文

DOIに登録するには?

前回に引き続き、DOIについて紹介させていただきます。今回はDOI登録です。DOIとは何か知りたい方は、前回の記事を参考にしてください。

もし、自組織で管理しているコンテンツをDOI登録したい場合、どのような手続きが必要になるのでしょうか?学術論文などを出版している組織(学会や出版社など)が出版物をDOI登録するには、DOI登録機関(Registration Agencies)に申請する必要があります。国際DOI財団のウェブサイトによると世界に10件(2021年11月時点)のDOI登録機関(Registration Agencies)があり、そのうち1つが幸いにも日本にあります。それが「ジャパンリンクセンター」で、DOI申請手続きを日本語で行うことができます。

ジャパンリンクセンター(Japan Link Center)

略して「ジャルク(JaLC)」と呼称します。(本記事でも以下、JaLCと記載します)上述の通り、国内唯一のDOI登録機関(Registration Agencies)で、国際DOI財団より、2012年3月に世界で9番目のDOI登録機関(Registration Agencies)に認定されています。下記の機関で共同運営されており、事務局はJSTにあります。

  • 国立国会図書館(NDL)
  • 国立情報学研究所(NII)
  • 科学技術振興機構(JST)
  • 物質・材料研究機構(NIMS)

JaLCに登録できるコンテンツは下記があります。

  • ジャーナルアーティクル(ジャーナル)
  • ジャーナルアーティクル(アーティクル)
  • 書籍・報告書
  • 研究データ
  • e-learning

会員制度

JaLCに入会してサービスを利用するには、「正会員」と正会員を通じてJaLCのサービスを利用する「準会員」になる必要があります。

正会員とは

コンテンツをJaLCに登録することができ、JaLCに登録されているすべてのデータを検索し、利用することができます。正会員になるには、下記の要件をすべて満たしている必要があります。

  • 日本国内の法人または団体であること
  • JaLCの目的及び事業を理解し賛同すること
  • 原則として、次のいずれかに該当すること
    1. コンテンツを発行又は提供していること
    2. コンテンツに関する何らかの電子サービスを行っていること

また、正会員になるとDOIやコンテンツの維持・管理の義務が発生します。費用も含め、事前に自組織の体制を検討する必要があります。

準会員とは

正会員を通じて、コンテンツをJaLCに登録し、自らデジタルコンテンツを管理している組織となります。準会員を取りまとめている正会員の組織の1つして、科学技術振興機構(JST)があり、コンテンツの管理・公開を行う「J-STAGE」というサービスを提供しています。

正会員と準会員、どちらが良いのか?というと、コンテンツを公開する目的と組織の状況で判断すれば良いかと思います。正会員の場合は自組織でコンテンツを公開するプラットホームを運営する必要があります。DOI登録したコンテンツを管理する義務が発生しますので、体制を整える必要があります。準会員の場合、上述のJ-STAGEのようなサービスを利用することで、プラットホームを自前で運営する必要がありません。プラットホームを運営する資金やリソースがあり、主体的に自組織のコンテンツを広く公開したい場合は正会員、コンテンツの公開のみが目的の場合は準会員になれば良いかと思います。

また、海外展開を重視する場合、JaLCを通してCrossRefへのDOI登録が可能です。長くなるため、CrossRefに関しては割愛させていただきますが、別途ブログでご紹介したいと思います。

DOI登録の流れ

会員要件や自組織の体制が整ったら、JaLCへ入会手続きを行います。入会は下記の流れとなります。

まとめ

今回はDOI登録の方法として、JaLC(ジャパンリンクセンター)への入会について、ご紹介させていただきました。入会手続き自体は難しくはありませんが、入会後にコンテンツを維持・管理する必要があり、費用や体制を整えるが難しいかもしれません。特にインターネット上に公開しているコンテンツですので、コンテンツをDOI登録する際もJaLCのサイトからオンラインで登録する必要があります。また、複数のコンテンツをまとめて登録する際は、XMLというデータ形式にする必要があり、ITの知識が必要となります。しかし、このようにコンテンツをしっかりと管理することで、価値のあるドキュメントが多くの方に参照される仕組みはとても重要ですので、より多くのコンテンツがDOI登録されれば良いなと思います。

当社ではDOIの申請業務を含め、コンテンツ公開のプラットホーム作成など、ITシステム運用のご相談を承っております。ご興味がありましたら、当社ホームページからお問い合わせいただけますと幸いです。