JCMA提供の「新型コロナウィルス感染症禍におけるMICE開催のためのガイドライン」を理解する。~会期中~

国際会議・学術集会

どうする?会場での新型コロナウィルス対策

先日、小規模の国際シンポジウム開催のお手伝いをしてきました。オンラインによる海外の研究者の招待講演を含みますが、基本的に対面での開催となりました。シンポジウムの参加者の中に学術集会・国際会議について、研究されている先生がいらっしゃり、学術集会・国際会議に参加される方々は、対面とオンラインのどちらを好む傾向があるか伺ってみたところ、直近の調査では8割が対面を希望しているそうです。対面の学術集会・国際会議の様子を見ていると、やはりソーシャルイベントの最中、研究の話はもちろんですが、ざっくばらんに科研費や大学の業務の話をされているのが耳に入ります。セッションにおいても人数が少ない分科会などでは、挙手による質疑応答ではなく、自由に意見交換しており、コミュニケーションが促進されています。オンラインでは、発言のタイミングが難しかったり、互いの様子が分かりづらかったりして、対面ほどコミュニケーションが促進されてないのが実情ではないでしょうか。対面を希望する参加者が8割というのは、納得できます。

冒頭、話が逸れてしまいましたが今回は、前回の記事に引き続き、JCMAが提供する「新型コロナウィルス感染症禍におけるMICE開催のためのガイドライン」を紹介します。20ページにおよび細かく感染症対策について書かれているため、大まかな内容がわかるように会期前と会期中の2つに分けて、まとめてみました。前回の記事では会期前についてまとめましたので、今回は会期中の対策となります。

※JCMAについては、前回の記事で説明していますので、ご参照ください。

※ご紹介するガイドラインは、第5版2022年1月31日です。

新型コロナウィルス感染症対策ガイドラインの紹介(会期中)

会期中の対策と言っても、政府や自治体、メディアが発信している通りの内容で、マスク着用・消毒・換気・ソーシャルディスタンスの確保を徹底することが記載されています。それらを学術集会・国際会議の場面ごとに見ていきます。

参加登録受付

会場の入り口や受付デスクに、検温・マスク着用・手指消毒等の感染症対策に協力する旨の掲示物を貼付し、参加者がいつでも手指消毒ができるようにアルコール消毒液を設置します。

会期の初日などは、受付する人が多く訪れるため、フロアマーカーの設置や入場制限を行い、できるだけ2m(最低1m)のソーシャルディスタンスを確保します。そして、これらの措置がしっかり実施できるように誘導員を配置します。

受付要員と参加者の接触を軽減するため、受付デスクにアクリル板やビニールカーテンを設置し、参加費の支払いは、現金の取り扱いを減らすため、キャッシュレス決済などを導入します。配布物は、参加者自らお取りいただき、紙媒体を減らし、オンラインで参照できるようにします。それでも手渡し等の接触が発生する場所では、受付要員は手袋を着用します。

有事の際に連絡が取れるように参加者の連絡先(氏名、所属、電話番号、メールアドレス等)を把握します。

セッション会場

セッション会場にも、検温・マスク着用・手指消毒等の感染症対策に協力する旨の掲示物を貼付し、参加者がいつでも手指消毒ができるようにアルコール消毒液を設置します。

参加者数に対して、十分な収容人数の会場を適切に設計し、できるだけ2m(最低1m)のソーシャルディスタンスを確保します。また、講演者と参加者はもちろん、パネルディスカッション等の講演者同士のソーシャルディスタンスも確保します。入場者数を制限し、立ち見が発生しないようにします。

セッションで使用するマイクなど、共有する備品はこまめに消毒や交換など行い、接触による感染を防止します。

機械による換気を行うとともに。出入り口は常時またはこまめに開放し、会場内の換気を徹底します。

食事会場

会場の収容定員に対して、50%の参加者になるように十分な広さの会場を選び、できるだけ2m(最低1m)のソーシャルディスタンスを確保します。併せて、開催時間の短縮や野外スペースの活用を検討します。

食事の提供方法は、できる限り立食ではなく着席として、ブッフェ形式を避け、パッケージされた食事を個別提供する形式や弁当等にします。参加者に対して、食事中以外は、マスクを着用し過度な飲酒の自粛をアナウンスします。

機械による換気を行うとともに。出入り口は常時またはこまめに開放し、会場内の換気を徹底します。

質疑応答は食事の後に行うか、チャットシステムを利用し、食事中の発言を控えるようにします。

まとめ

結局のところ、会期中の対策としては、マスク着用・消毒・換気・ソーシャルディスタンスの確保を徹底することに限られます。そのため、記事を書きながら、単調でありきたりな内容になってしまっていることを感じていました。しかし、対面の学術集会・国際会議を実施するためには大事なことですので、正直つまらない記事とは思いますが、2回に分けてJCMAが提供する「新型コロナウィルス感染症禍におけるMICE開催のためのガイドライン」の概要を紹介しました。

JCMAが提供する「新型コロナウィルス感染症禍におけるMICE開催のためのガイドライン」は20ページにおよび細かく感染症対策について、記載されています。実際に学術集会や国際会議の準備をされる際は、本記事は参考程度に留め、しっかりJCMAのガイドラインをご確認ください。