IIAI AAI 2023とは
これまで何度か、記事にさせていただいておりますが、IIAI AAIは日本に本部を置く国際学会のInternational Institute of Applied Informatics(略称:IIAI)(日本名:国際応用情報学研究機構)が毎年開催している国際会議で、今年は2023年7月8日~13日に福島県郡山市で開催されました。正式名称は「14th International Congress on Advanced Applied Informatics」で、14回目となります。詳細は過去の記事や、オフィシャルサイトをご確認ください。
観光庁「ポストコロナに向けた国際会議誘致競争力向上事業」
IIAI AAIは観光庁が実施する「ポストコロナに向けた国際会議誘致競争力向上事業」の「ユニークベニューの活用」部門に採択されており、観光庁支援のもと様々な取り組みを行いました。「ポストコロナに向けた国際会議誘致競争力向上事業」は、コロナ禍における感染症対策や参加者の減少で、実施が難しい状況にあった国際会議のユニークベニュー活用やエクスカーション/テクニカルビジットを促し、且つ、地域参加プログラムを実施することを目的とした実証事業です。
実は、IIAI AAIは昨年の観光庁の実証事業にも採択されており、2回目の採択となります。今年は、地域参加プログラムが目的の1つであるため、開催地の郡山コンベンションビューロー様を中心に地元の企業や団体にご支援いただき、テクニカルツアーと野外ランチョンセミナーを実施し、郡山全体で学会を盛り上げていただきました。当社も昨年同様に国際会議実行委員会の皆様と共に計画立案から実施まで、お手伝いさせていただきましたので、その取り組みの一部を紹介します。
テクニカルツアー
テクニカルツアーは、郡山の歴史・伝統・技術を体験することを目的としており、参加者は数台のバスに分かれて、下記の施設を訪問しました。
- 笹の川酒造
- 宝来屋本店
- 産総研福島再生可能エネルギー研究所
- 開成山大神宮
- 大安場史跡公園
そして、テクニカルツアーの昼食を兼ね、「四季の里 緑水苑」で野外ランチョンセミナーを実施しました。野外ランチョンセミナーについては、次回の記事で紹介します。
笹の川酒造
明和二年(1765年)に創業した郡山の老舗の酒蔵です。その歴史の長さにも驚きますが、日本酒だけに留まらず、「安積蒸溜所」を併設しており、ウィスキー造りも行っています。今では国内外で評価や人気が高いジャパニーズウィスキーも製造している、魅力的な酒蔵です。
訪問した参加者向けにガイド付きで工場見学をしていただき、日本酒の製造工程に加え、ウィスキーの製造工程も丁寧に説明いただきました。また、お土産コーナーでも日本酒とウィスキーの試飲をさせていただき、参加者の皆様は好みのお酒を購入しておりました。最近は、海外でジャパニーズウィスキーが人気のため、価格が高騰しているウィスキーを通常価格で購入できるチャンスでしたので、特にウィスキー好きの参加者の方には大好評でした。
宝来屋本店
こちらも明治39年の創業以来、100年以上にわたり糀製法を守ってきた郡山の老舗の味噌蔵元です。海外の品評会などにも出品しており、世界に味噌などを販売しております。
訪問した参加者向けにガイド付きで工場見学をしていただき、味噌の製造工程を丁寧に説明いただきました。英語での対応が可能ということで、説明が難しい味噌の製造工程を英語で流暢に説明されているのが、印象的でした。また、味噌は海外の方には珍しく、味噌が製造される様子を熱心に見て、質問をされる参加者がたくさんいました。見学の後は、お土産コーナーでショッピングを楽しみました。甘酒の試飲をさせていただき、多くの方が甘酒を購入しておりました。
産総研福島再生可能エネルギー研究所
最後に国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研)福島再生可能エネルギー研究所(FREA)を紹介します。「世界に開かれた再生可能エネルギーの研究開発の推進」と「新しい産業の集積を通した復興への貢献」を大きな使命とし、国内外から集う様々な人々と共に、再生可能エネルギーに関する新技術を生み出し発信する拠点を目指して、平成26年4月(2014年)に郡山市に開所しました。東日本大震災で原子力発電所の事故をきっかけに福島県に設立された国の研究機関です。
太陽光、風力、地熱など、様々なエネルギーの研究を紹介いただき、参加者の皆様には、日本の最先端の科学を知っていただき、福島県ならではテクニカルビジットになったと思います。
まとめ
他にも訪問した施設がありますが、この記事では個人での見学・訪問が難しい施設を紹介しました。参加者の皆様には、何れの工場・施設も好評で、郡山市の歴史・伝統・技術の十分に体験していただけたと思います。特に笹の川酒造の日本酒とウィスキー、宝来屋本店の甘酒は、今回の国際会議のレセプション等でも提供したのですが、大人気でした。
観光庁の事業の目的の1つに地域参加プログラムとあり、参加者に郡山市の魅力を伝えられるようなプログラムを検討し、郡山コンベンションビューロー様のお声がけで、どの企業・施設の皆様も快く見学・協力の受け入れをしていただきました。
国際会議が終わった後、とても嬉しいことがありました。宝来屋本店では、普段は小学生向けの工場見学を行っていますが、海外の方の工場見学は初めてで、海外の方の味噌への関心が高く、説明する側もとても楽しく工場見学を行うことができ、今後もこのようなイベントをやっていきたいと、担当の方からご連絡いただきました。このように少しでも、地域の皆様に貢献できる国際会議が出来るよう、これからも頑張っていきたいと思います。
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